近頃、「イベリコ豚」とか「イベリコ・ベジョータ」などの言葉は街のレストランで見かけるようになりました。
かつてはスペインのハムと言えば「ハモン・セラーノ」一辺倒でしたから、「イベリコ」の浸透は私たちにとってはうれしい限りです。
しかし、先日とある人から、「ハモン・セラーノ・ベジョータは扱っているか」と尋ねられ、まだまだ啓蒙が足りないと反省した次第です。
「イベリコ」は豚の種類
結論から申し上げますと、「イベリコ」は豚の種類です。
今から約5,500年前に現在のスペイン、ポルトガルがあるイベリア半島に生息していたイノシシを家畜として飼い始めたのが現在のイベリコ種のはじまりであると言われています。
「Iberico=イベリア半島の」という意味を持つ黒豚品種であり、日本ではどんぐりを食べて育った豚として認識されているかも知れません。しかしどんぐりを食べて育ったというキャッチフレーズがあまりにも先行してしまいイベリコ豚=どんぐりを食べていると思われている方も多いようです。
動画:広大な土地で放牧されるイベリコ豚
一般の豚はどんぐりを食べると、身にならずそのまま糞に混じって体外へ出てしまうそうです。これに対しイベリコ豚はどんぐりの実( = ベジョータ)を食べることで成長できる品種です。ただ、どんぐりの実は一年中あるわけではないので、もちろんほかのものも食べます。
「イベリコ・ベジョータ」はイベリコ豚のランクのひとつ
日本でもすっかり有名になったイベリコ豚。どんぐりを食べて育つ豚、というイメージで知られていますが、実際にどんぐりを食べて育つのはイベリコ豚の中でもごく一部。
実は、イベリコ豚はその飼育方法、品質によって明確にランク分けされています。
最高ランクに位置するのがベジョータ。正真正銘、ドングリを食べて育つ「最高峰のイベリコ豚」です。イベリコ豚の中でもベジョータにランク付けされるのはわずか10%程度でお値段も高価です。
霜降り牛と見まごう程の美しいサシが入ったベジョータ、人肌で溶けるその脂は口の中に入れた瞬間とろけだします。
イベリコ豚を格付けする「ランク」の概念
イベリコ豚の規定上、豚を森林(デエサ)で放牧中に一定量を超えるどんぐりを食べて育てられたイベリコ豚から製造されたイベリコ豚製品だけが「イベリコ・ベジョータ」を名乗ることが出来ます。
また、「イベリコ豚」の呼称はスペイン政府の勅令により規定されており、少なくとも50%以上の血統を保てないと「イベリコ豚」と名乗ることは出来ないのです。このイベリコ豚から作られる「ハモン・イベリコ」は、スペインでは最も高価なハムのカテゴリー。中でもハモン・イベリコの4大産地として有名なのはギフエロ、エクストレマドゥーラ、ウェルバ、ロス・ペドロチェスがあり、それぞれでD.O.(原産地呼称制度)の認定を受けています。
つまり、文頭に出てきた「ハモン・セラーノ・ベジョータ」は「白豚で作られた生ハムにイベリコ豚のランク付けがされている」というありえない商品となるのです。
「イベリコ豚」とか「イベリコ・ベジョータ」についてお分かりいただけましたでしょうか?
簡単にいうと、イベリコ豚は豚の品種で、イベリコ・ベジョータはイベリコのランクのひとつということです!
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