魅惑のシャルキュトリーの世界へようこそ。
日本でも知られるようになってきた「シャルキュトリー」。
名前は知っていても、実際にはどんなものなのか、なんだかぼんやりしたイメージでとらえてしまいがちですよね。
実は、知れば知るほど奥深いシャルキュトリーの世界
はっきりしないモヤモヤを解決して、もっとシャルキュトリーをお楽しみいただくために、今回は全体像をさっとつかむための「シャルキュトリーツアー」にご案内いたします!
■「シャルキュトリー」って何?
ちょっと発音しにくい「シャルキュトリー」はフランス語。charcuterieと書き、chair(肉)+cuite(火を入れる)、を語源としています。
語源が表す通り加熱されたものの他にも、塩漬け・発酵・乾燥など、その加工方法も様々。肉を加工したもの全般を総称して「シャルキュトリー」と呼びます。
ギリシャ時代にまでさかのぼる歴史をもつシャルキュトリー。
もちろんフランスだけでなく世界各国にも同様の文化があり、イタリア語ではサルメリア salumeria、ドイツ語ではメツゲライ metzgereiといい、日本語では”食肉加工品”と訳されます。
肉類が今よりずっと貴重だった時代に、やっと手に入れた肉を余すことなく、いかに長く、いかに美味しく楽しむかを考え尽くして生まれたシャルキュトリーの文化。
また、近代においては、加工により肉本来の素材そのものとは全く異なる、新たな美味しさを創出するというガストロノミーの観点からも、ヨーロッパの伝統が生んだ素晴らしい加工技術が再評価されています。
先人たちの知恵が、今も私たちの食卓を豊かにしてくれているなんて、素敵ですよね。
長い時間をかけて各国で育まれた文化だけあって、その種類も膨大なシャルキュトリー。
うっかり足を踏み入れると迷子になってしまいそうなシャルキュトリーの世界を少し整理してみましょう。
まずは、原料。
シャルキュトリーの原料には豚肉、牛肉、鶏肉に加えてジビエ肉など様々な肉類が用いられますが、肉の種類によらず、原料は以下の3つに分類されます。
- 塊肉 「生ハム」、「ベーコン」など
- 挽き肉 「ソーセージ」、「サラミ」など
- 内臓及び血 「ブラッドソーセージ」や「フォアグラのパテ」など
そして製造方法はというと、実に様々。
フランスで「シャルキュトリーのバイブル」と呼ばれるシャルキュトリーに関する初の規定書に掲載されているだけでもその数16種類。
「加熱」、「乾燥」、「塩漬け」、「腸詰め」、「脂煮」、「燻製」、「発酵」など、貴重な肉類を美味しく生かし切るための知恵と工夫がうかがわれるバラエティーです。
つまりシャルキュトリーの種類とは、
肉の種類×原料の種類×製造方法
の数だけ存在し、また国によって加えるスパイスや調味料が異なったりと、それぞれのオリジナリティーが加わったものなのです。
■代表的なシャルキュトリー
様々なシャルキュトリーが存在することがわかってくると、いつも食べているお気に入りのシャルキュトリーがどうやって作られているのか気になりませんか?
製造方法や原材料が似ているものを試して新たなお気に入りを見つけることもできそうですよね。
そこで代表的なシャルキュトリーをご案内します。
- 生ハム
【生ハムの作り方】
「生」という言葉が表す通り、「生ハム」は加熱加工せずに作られるハムのこと。
塩漬けした豚肉を吊るして自然乾燥、熟成させて仕上げます。
長期間かけて自然乾燥させることで、水分が抜け、旨味が肉の内部に凝縮していくのが生ハムの特長です。
- ハム(加熱ハム/クックドハム)
【ハムの作り方】
生ハムとの違いは加熱加工しているかどうか。
塩漬けした後の豚肉を加熱したものが一般的なハムになります。
しっとりした食感とやわらかさが特長です。
- サラミ
【サラミの作り方】
ひき肉に調味料、香辛料を混ぜ合わせて腸詰めし、水分量が35%程度になるまで自然乾燥、熟成させたドライソーセージがサラミです。
国や地域によって混ぜ合わせる素材が異なり、地域の名前を冠したサラミが多いのも特徴。濃厚な肉の旨味と素材の組み合わせの妙を食べ比べながら楽しむのもおすすめです。
- パテ
【パテの作り方】
具材を細かく刻み、ペースト状あるいはムース状に練り上げたものの総称をパテと呼びます。パテの本場、フランスではレストランのメニューに必ずある一品。肉だけでなく、内臓や、血も利用して、具材、スパイス、ハーブと調和させながら作り上げるパテは料理人のセンスの見せ所。個性の違いを食べ比べるのが楽しいパテは、ワインのおつまみにはもちろん、ひと手間で一品料理にもなる、ご家庭に常備したくなるシャルキュトリーです。
■オトナマルシェMiAppe!おすすめのシャルキュトリー
ハモン・デ・テルエル 18か月 200g