時折お客様から「いつも食べる生ハムと味が違う」「国産の生ハムは置いていないの?」というご質問をいただきます。
ずばり、その問いにお答えいたしますと…
スーパーで見かける国産の生ハム…
実はこれ、当店で取り扱っている伝統的な生ハムとは全く別物なんです。
当店で扱っている生ハムは主にフランス、スペイン(そして今は輸入できませんがイタリア)他南西ヨーロッパの生ハム生産者から直接仕入れています。
国ごとに製法や添加物の有無の違いはあれど、古来より生の豚肉を塩漬け&長期間乾いた空気で乾燥・熟成させる伝統的製法で造られています。
短いもので約1年、長いもので3~4年間熟成させます。
その結果水分が飛び、塩蔵して熟成させることで腐敗を防ぎ、乳酸菌の働きにより雑菌の繁殖を止め、特有の芳醇な香りと旨味を引き出した生ハムが出来上がります。
一方、スーパーで手軽に購入できる生ハムは、豚肉を直接調味液に漬け込み数日から数週間で味をなじませます。
また、スモークの香りがする商品もありますがそちらは、薫液を足したり、燻煙をすることで、あっさりとした味わいに仕上げ、肉の匂いを隠す風味付けをしています。
同時に生産性にすぐれ、短期間でできるため価格を抑えて提供することも最大の特徴です。
また、熟成期間がないため、長期熟成したものとは味わいが違います。
※ここだけのお話ですが、ヨーロッパ産の長期熟成の生ハムは原料となる元の重量から仕上げまで歩留りが70%を上回ることがありません。
それは、水分が蒸発し、旨味が凝縮されていく熟成という過程を経ているからこそですが、国内で一般的な塩漬方式で調味液を加える等して造られるハムは歩留り100%を下回ることはありません。
さて、何でじゃあ何で全く製法が違うのに同じ名前で呼ばれているのかと言いますと、「生ハム」という言葉は日本の食品衛生法にもJAS規格にも定められていないからです。
要するに、「生ハム」と言うのは法律で「こう名乗りなさい」と定義された名前ではなく、一般的は通称に過ぎないのです。
「生ハム」と言う言葉がなぜ生まれたのか、一説には国産の生ハムは1890年代、ハムの消費量が下がる夏の時期に「豚のルイベ※」を作ることから始まったと言われています。
豚肉を生で食べることに強い抵抗感をもつ日本人には当初敬遠されていましたが、ロースハムの加熱前のもの=「生のハム」とネーミングを変えたところ需要が増えたとか。
ちなみに、法律上で両方の「生ハム」を表現できる言葉は「非加熱食肉製品」となります。
と言うことでまとめ!
【当店で取り扱っている海外産の生ハム】
作り方:塩漬け&最低でも8ヶ月から長いもので3~4年にもに渡る長期熟成
味わい:お肉の風味もうまみも塩気も濃厚
【スーパーで売っている一般的な国産生ハム】
作り方:お肉を直接塩漬液・調味液に短期間漬け込む
味わい:お肉の風味もうまみも塩気もあっさりめ
と言うことになります!
ただ、ご注意いただきたいのが国産でも伝統的な塩漬け&長期熟成しているメーカーはございます!
なので、国産生ハムだからって一律塩漬方法と勘違いなさらないようにご注意を!
「じゃあどうやって見分ければいいの?」と言う場合は原材料表記をご覧ください。
伝統的な製法で作られた生ハムの場合、基本の材料が「豚モモ肉」と「塩」です。
時折製法の違いや現地の法律の関係で「発色剤」や「砂糖」「香辛料」が入っていることもありますが保存料などは基本的に不使用です。
一方で塩漬方法の場合は「還元水あめ、人工甘味料、アミノ酸、酸化防止剤」などが含まれます。
これは短期間で安全で保存性の高い非加熱食肉製品を製造する為にどうしても添加物が多くなるのです。
以上、スーパーでよく売っている国産生ハムと当店で取り扱っている海外産生ハムの違いでした!
海外産の伝統的な生ハムを食べたことがない方は、ぜひ当店で一度お試しください。
お得なアウトレット品なども数多く取り揃えています!
オトナマルシェの運営母体である輸入商社のアサヒグラント株式会社は日本で初めて生ハムを紹介した企業!正規輸入元として現地生産者から直輸入した商品をご紹介しています。
オトナマルシェでは取り扱えない商品もありますが、会社全体の商品ラインナップはこちらの公式HPにございますので気になりましたら是非一度ご覧ください。